自然科学研究機構では平成22年度より開始しました「自然科学研究における国際的学術拠点の形成」事業によって、国内外から共同研究参加者を募り、新たな学術分野の開拓も視野に入れて自然現象のシミュレーションや
新技術開発を生かした創造的研究活動を推進する国際的にも評価される自然科学の国際的学術拠点を形成することを目指しています。そこで、核融合科学研究所では、この主旨に沿い、プラズマ物理学の関連分野発の事業を展開することを目的として、「磁場閉じ込めプラズマ中の乱流、磁気島及び磁力線の研究」を主課題とし、国際共同研究拠点ネットワーク活動の
推進と、新しい方法論としての「イメージングサイエンス」へ核融合科学からの貢献を図っていくこととしました。
本事業では3つの活動、(1)国際共同研究拠点ネットワーク活動の推進、(2)プラズマのイメージング計測、
(3)プラズマの3次元(3D)可視化、を進めております。さらに、これら3つの活動の相乗的推進と学際的な拡充、機構内外の他機関との連携を運営本部が中心となり共同研究者とともに図っています。それぞれの活動では、学術交流協定などに基づく組織的な国際共同研究活動を、滞在型共同研究交流を通じて強化すること、乱流、磁気島及び磁力線のイメージング計測を開発すること、プラズマに関わる実験及びシミュレーションの3D可視化技術を高度化することの3つを具体的な目標として設定しています。
プラズマ・核融合科学の分野において核融合に必要な高性能プラズマの実現には、非平衡・非線形性に満ちたプラズマ中で1cm当たり百万度という極めて大きな温度勾配などがもたらす乱流が自ら構造形成を行う物理機構や、磁気面という2次元構造からの縮退が破れ磁気島や確率論的場が発現する物理機構への深い理解が決定的な加速をもたらします。同時に、これらの物理の理解は学術的にチャレンジングな課題です。このためにはイメージングサイエンスという手法が極めて重要なパラダイムとして位置づけられます。本事業によって国際的学術拠点の形成とイメージングサイエンスの学際的展開を核融合・プラズマ物理学の研究加速とかみ合わせ、それぞれ国際的な競争力を涵養すると同時に、機構の特色を活かし、新たな展開と包括的な自然の理解につなげていきます。
